家のノートパソコンのHDDが壊れてしまった.MURAMASAっていうモバイルノーパソだけど,バッテリも20分くらいしか持たなくて,もう,モバイルってレベルじゃねー状態だったうえの追い打ちである.
けれどCrusoe 1GHzはまったく役立たずというレベルでもなく,なんとなく再利用してみたいなぁと思っていた
Ubuntu Linuxにはハードディスクを必要としないブートシステムがあるらしい.これを使えばMURAMASAをシンクライアントととして利用することができる.
ていうわけで設定してみたところとても簡単に利用できたので設定を記録しておく.
シンクライアント実現のためには母艦となるサーバとクライアントが必要となる.とりあえず試したかっただけなので,母艦のUbuntu LinuxはVMware上で動作させた.
Ubuntuで動作するシンクライアントシステムはLTSPという.
LTSPはざっと見た感じ,PXE,TFTPやDHCPサーバといったディスクレスブートに必要なサービスとそのためのカーネルイメージの集合体と言った感じだ.これらのインストールはターミナル上で以下の様に実行するだけ.
sudo apt-get install ltsp-server-standalone openssh-server
openssh-server はたいてい突っ込んでいると思うので,実質必要なのは ltsp-server-standalone だけという感じだ.
つぎにシンクライアントのカーネルイメージなどを作成するコマンドを実行する
sudo ltsp-build-client
これで環境は整った.
ネットワークブートのためにはDHCPを適切に設定する必要がある.
このため,/etc/dhcp3/dhcpd.conf を設定する必要がある.
自分の環境では以下のような感じにした.
#-------------------------------
option domain-name "hogehoge.net";
option domain-name-servers 192.168.24.1;
option subnet-mask 255.255.255.0;
default-lease-time 600;
max-lease-time 7200;
authoritative;
subnet 192.168.24.0 netmask 255.255.255.0 {
range 192.168.24.120 192.168.24.128;
option broadcast-address 192.168.24.255;
option routers 192.168.24.1;
}
#-------------------------------
上記を記述した後,シェルで
sudo /etc/init.d/dhcp3-server start
を実行し,[OK]となれば作業は完了.DHCPサーバが動作する.
クライアント側のノートPCの電源を入れて最優先起動メディアをnetworkに設定する.その後再起動を行うと,ネットワーク越しのUbuntuから起動が始まる.
ログイン画面が登場するので普通にログインする,,,とすぐにまたログイン画面にはじき戻される.
これはどういうことだろうと調べてみるとsshキーの関係らしい.
sudo ltsp-update-sshkeys
を実行してキーをアップデートする.
もう一度挑戦する,,,がやはり失敗する.
さらに調べてみると,キーをアップデートしたらカーネルイメージもアップデートしないと行けないようだ.
これを行うためには
sudo ltsp-update-image
を行う必要がある.これを行った後ログインするとちゃんと入れた.完了!
処理性能的には結構引っかかる感じがするけど,致命的という感じでもない.サーバとなっているUbuntuと全く同じ環境がシンクライアント画面でも登場するので作業上の違和感はほとんど感じない.ただ,サーバ環境とクライアント環境のUIがいろいろ異なると設定がめんどいかもしんない(ex.キー配列が一方がUS配列でもう一方がJIS配列).
というわけでめでたくシンクライアント環境が作成できました.ネットワークインストールをFedoraでやったときは結構骨が折れたけど,今回のシンクライアント環境の作成はかなり簡単でした(若干調査は必要だったけどね).やはりUbuntuは簡単に高度なことが実現できますなぁ.