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Core 2 Quad (Kentsfield) のベンチ

Core 2 Duoを2枚くっつけただけと言われているIntel初のクアッドコアCPU : KentsfieldのベンチがToms Hardwareで公開されていました.

以前紹介したページでは散々な内容でしたが,今回は様々な種類のベンチマークや実際のソフトウェアを用いて性能を多角的に検証しています.

PC/ワークステーション向けCPUのベンチマークなのでOpteronやXeonはいません.なのでIntelからはCore 2 Quad 3.33GHz(型番未決定),AMDからはAthlon 64 FX 62というCPUが最もハイエンドということになっているみたいです.

結果としてはやはりCore 2 Quadはメモリー性能ではAMD勢に譲るものの,数値演算/浮動小数点演算での追い上げが激しくマルチメディア数値演算スコアでFX 62の7倍スコアをマークしています.浮動小数点演算性能でも2.35倍のスコアを出し,実際3D Studio MAXのレンダリング時間がほぼそれを反映した時間(2.5倍速)で完了しています.
リンク先の結果をみれば分かることですがマルチスレッディングに対応していないソフトウェアではKentsfieldはその真価をまったく発揮できません.前述の3D Studio MAXやDIVX,WMV Encoderはマルチスレッド化が十分に施されており,4スレッドでも十分に動作していることが伺えます.
逆に以前1%も性能の向上が見られなかったAQUA MARKやFF Benchはその辺りの実装がおざなりであると考えられます.
これに関してIntelは指をくわえているわけではなくIntel CompilersやVTuneなどをはじめとした容易にマルチスレッディング化させたりパフォーマンス解析を行なえるチューニングツールをリリースしています.
また、Core 2シリーズには隠された新型命令SSE4があります.リリースしているIntelすらまだ仕様書を公開していない,このSSE4をゲーム・エンコード系のソフトウェアが使用すれば,特定処理ながら劇的な高速化が望めます.このようにCoreシリーズはソフトウェアの進化によりジワジワと性能を上げていくCPUです.というわけでまだ相当なポテンシャルを持っていると考えられるCore 2シリーズの紹介みたいになってしまいました.

ただ懸念すべきはメモリ性能の問題ですね.AMDと違いメモリコントローラを内蔵しないため,FSB経由による性能低下はコア数が増えるほど顕著になっていきます.この解決にはXeonシリーズが採用しているFB-DIMMを用いればある程度緩和されますが,コストがかかる上,システム全体の消費電力を引き上げてしまいます.ここを量産効果でもってねじ伏せるか,または別の策で乗り切るのか気になるところです.
by cappuccino_mac | 2006-09-11 07:47 | NEWS