VMWareにDarwinを入れてみたのでメモ
とりあえず簡単にDarwinの紹介を。DarwinとはMac OS Xのカーネル部分とそれに付随するBSDサブシステムをパッケージにしたApple発のオープンソースプロダクツです。Mac OS Xは現状ではPowerPC上でしか稼働しませんが、Darwinはx86、すなわちIntel系のCPUでも動作します。今回入れたDarwin 8はMac OS X 10.4 Tigerのサブシステムと同等のものとなります。
ではインストール覚え書きに入ります。インストールしたDarwinのバージョンは8.0.1,VMWareのバージョンは5.0.0で行いました。たぶんこれに関する日本語情報はまだないと思います。
ちなみに稼働させたマシンはPentium4 2.4GHzを搭載したものです。
まずはヴァーチャルマシンの設定から
特に説明すべき点はないです。普通に入れるOSをOtherに設定するだけです。
そして
appleか
opendarwinから入手できるdarwinx86-801.isoをCDドライブのイメージとしてセットします。以下のようなセットアップ状況になっていれば問題ないでしょう。
ではバーチャルマシンを起動します。するとこんな感じの画面が出た後に、ほどなくDarwinのCDブートの起動画面に移ります。
気をつける点としてはタイムカウント中にEnterを押すと素早く起動画面に移るわけではなくて詳細起動画面になってしまうというところでしょうか。10秒待ちましょう。
起動後はこのような画面で止まります。インストールの始まりです。ちなみに以後のスクリーンショットはVMWareの機能を使って撮りました。
とりあえず最初の質問は ローカルハードディスクを指定するために
1を入力してEnterを押します。
次にマニュアルでパーティションを指定するために
2を選択します。
次の質問はパーティションテーブルを初期化したいので
yにします。
するとfdiskが起動しプロンプトが変化すると思います。
まず最初に
reinitと書いてEnterを押します。すると下のような画面になると思います。
つぎに表示されたパーティションテーブルの1番を変更したいので
edit 1と打ってEnterを押します。スペースなしでedit1と打たないように注意してください。
その後Partition idを聞かれます。ここには
A8と打ってEnterを押してください。
こんな感じの画面になると思います。
その後にCHS modeを編集するかという質問がされますが
nとします。ちなみにCHSとはCylinder , Head , Sectorのことです。
実行し終わるとこんな感じになります。
ここまで来たら
write,
quitと実行しfdiskから抜けます。
fdiskを抜けるとどれをルートパーティションにするか?という質問が行われます。
ここには
/dev/disk0s1と記述しEnterを押します。これでルートパーティションが記述したパーティションになりました。
この質問を終えるとディスクを全部消去するか否かのyes/noの質問が行われます。そこで
yesを指定します。インストール開始・・・と思いきや、あっさりとエラーを起こして失敗します。インストール失敗と落胆するところですがこれでいいのです。指示されている通り再起動しましょう。
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ここからは少しスピーディな作業を要求されますががんばってください。
まず、再起動直後にVMWareのBIOS画面が出ると思います。ここですかさずESCキーを押してください。
するとBoot Menuというのが出てきます。
Hard DiskがCD-ROMより優先されていると思います。つまりこのまま通常起動していたらHDDで起動していたわけです。しかしHDDはまだ中身は空っぽ。全く起動フェーズに移らないわけです。ていうわけで矢印キーで起動メディアをCD-ROMにして起動します。
もう一度同じような起動画面に移りインストーラが起動して質問してきます。
最初の質問は初回起動時と同じく
1です。
次に出現する質問の選択肢が増えていると思います。先ほどfdiskを用いて行った小細工によって3番目の選択肢が登場したわけです。この質問は
3を選択します。
つぎにルートパーティションの選択を行うので先ほどと同様
/dev/disk0s1と記述しEnterを押します。さらにファイルタイプの質問がされます。ufsでもいいんですけどhfsの方が無難だと思います。なので
hfsを指定します。
すると初回と同様ハードディスクが全削除される警告が出ますが、
yesを指定します。つぎにhfsのボリューム名を指定します。HFSはボリューム名が必須のシステムなのでここで聞かれるわけです。適当につけてください。とりあえず私は
vmwareと書きました。
ここまでやるとついにファイルのインストールが始まります。フォーマットはいつやったのかよくわかりません(汗)。大量のtar.bz2ファイルが解凍されてインストールされます。昔は.debでインストールしていた気がしましたけど、なんとなく退化してる気が・・・。
インストールが終わるとrootのパスワード設定とBonjour名の設定を行います。BonjourってのはDNS無しで名前解決を行えるネットワーク機構のことです。適当に書いちゃってください。
これでインストール作業"は"終わりです。
2の再起動を押しましょう。再起動せずにシステムが終了します(汗)。
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ここからはDarwinの起動の仕方を説明します。
Darwinはいろいろと発展途上なOSなのでLinuxや*BSDなどの立派なOSに比べるといろいろ間抜けな部分が多いです。まずは起動画面からその発展途上加減を味わってみましょう。
起動は「立ち上げるだけじゃないの?」って思われるでしょうが、そんなに甘くはありません。まずCDイメージはCD-ROMにセットしたままにしておきます。1回目のインストール後に行ったようにVMWareのBIOS画面でESCキーを押します。そしてCDから起動を行います。CDから起動を行うと冒頭で説明したように10秒のタイムカウントがありますが、今回は途中で何かキーを押して詳細起動画面に移ります。詳細起動画面はプロンプトが出るだけの味気ない画面ですが、ここに
mach_kernel rd=disk0s1と記述してEnterを押します。
するとやっとハードディスクからの起動が行われます。とりあえず自力で起動できないみたいです・・・・。
それと今まで伏せてましたが、DarwinはVMWareのエミュレートするネットワークカードをサポートしていません。なのでネットワークは"普通には"できません。普通じゃない方法に興味がある人は下に示したソースを参考にしてください。ちなみにこの覚え書きはこの2つのソースからの引用してハイブリッドさせました。
↑参考までに起動画面です。uname -aを実行してみました。
悪い点ばかり最後にあげましたが、多少の不自由さに目をつぶれば膨大なフリーソフトウェアが最初からインストールされている点は評価できると思います。いわゆるAMP環境は最初から備えてますし、gcc4が最初からインストール済みです。X11はないもののDarwinPortsから入手する事が可能です(ネットワークに繋がればの話なんですけどね・・・)。
Intel版のMac OS Xが登場間近であることから今後Darwin for x86を巡る環境は急速に良くなる可能性が出てきました。できればFreeBSD程度には使いやすいものになってほしいものです。
ソース
1.
http://wiki.opendarwin.org/index.php/OpenDarwin:VMWare
2.
http://pearpc.net/comments.php?news_id=267