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Larrabeeはローエンド?ハイエンド?

PC Watchより

2009年はCPUとGPUの境界線が曖昧になるという予想を述べている記事。

PCがデータ処理を行う上で不可欠なCPUは処理を高速化するために並列処理に着目して進化してきました。
以下が、それらに対する工夫の一覧

ILP:Instruction Level Parallelism
スーパースカラとかVLIWなどOut-of-OrderやEPICもこれに含まれる

TLP:Thread Level Parallelism
SMTとかマルチプロセッサ、マルチコア

DLP:Data Level Parallelism
SIMDのようなベクトル演算。MMX、SSE nとかAltivec(VMX)とかGPGPUのSPとかいろいろ

今のデータプロセッシングに関するIntel視点の状況はこんな感じみたいです。

ILPによる高速化が限界に来た(Pentium 4)

TLPによる高速化に限界が見えて来た(Coreシリーズ)

CPUに求められる処理がマルチメディア処理に大きく傾いて来ている

DLPは今後CPUが切り開いていくフロンティア

既にDLPの分野ではGPU(GPGPU)がいる

GPUには無い柔軟性のあるDLPを作る(←今ここ)

このことから考えてもLarrabeeの相手はGPGPUであってGPUでは「ない」ことがよくわかります。つまりモチベーションの根本にグラフィックを高速化するという考えは無い訳です。なのでLarrabeeはGPUとしてはかなりガッカリな性能になるのではという考えが生まれてくる訳です。

Larrabeeがグラフィック処理ハードウェアとして速くないと言われる要素は総合すると3つ挙げられると思います。

1.思想的に高速化を目指していない
前述したようにGPGPUに無い自由度を提供することに重点を置いている。基本的に初代Pentium+強化版MMXのようなものなので。CPUでやりたいことは何でもできる。この辺はCELLのSPUとは違うところではある。

2.機構的にグラフィック処理が高速ではない
16x32bitベクタ演算機構があるものの特定の処理を高速化するようなハードウェアはいっさい備えていない。
Larrabeeが採用すると言われるタイルアーキテクチャは帯域を減らすには貢献するが、処理に寄って速度低下が起こりやすく、リアルタイムグラフィックスではFPSのブレが大きくなる懸念がある。(オフラインレンダリングならば有効な手段だと思われる。)

3.インテルのドライバ製作能力
チップセット内蔵型のIntel GMAはFeatureだけ見ればATIやNVIDIAと同程度のスペックを持っている。が、ドライバの提供が遅れたり、性能が(かなり)イマイチだったりと良い評判がない。

3.は特に懸念されている点で、これを払拭するためかIntel内部でのツール開発者が数千人規模でいることを明らかにしています。ドライバ作成もGMAより遥かに本腰で進めていくつもりなのでしょう。

それでもおそらくLarrabeeの初期版はATI、NVIDIAの両製品に比べると性能はかなり見劣りのする性能になるのではないかと思います。仮に48コアのハイエンド製品が出てヘビーなゲームが50-60fps程度で動作したとしても、価格面ではどうなるでしょう。コンシューマではおそらく¥50kは下回ってくれないと普及は厳しい気がします。そういう意味ではLarrabeeは付加価値と価格の戦いとなりそうな気がします。動画再生・エンコードが超高速になるってだけでは(私はともかく)大多数のPCユーザにはあまり恩恵が無いですしね。

# Larrabeeが仮にこけてもIntel的には結構どーでもいいって見方もできますけどね。これは今回の話とは別件なので略
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by cappuccino_mac | 2008-12-02 07:02 | 雑感 | Comments(0)